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“物語”を演出するデザイン

 屋久島の歴史・文化資源を再発見・発信し、 文化の継承に貢献する拠点となる「屋久島シドッティ記念館」は、分野・領域を超えた多様な主体が連携して、地域課題解決のプラットフォーム、多文化共生のハブとして活用することを目指している。
建物の前に立つと、 素晴らしい山並みが広がり、 それはシドッティが上陸して、 最初に見た風景と重なる。展望デッキからは、山と海と里の一大パノラマが一望できる。
シドッティの来島という歴史的テーマ自体が「外からの影響」と「地域の応答」の物語であることから、 300 年前に屋久島の村人がシドッティに出会ったように、多様な人々の出逢いと交流の“物語”を演出する。

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建物はギャラリーとカフェのふたつのスペースに分かれている。


ギャラリー・スペース
地域主体の学びと記憶の継承 <展示、ワークショップ、講演会の開催>
写真やイラスト、映像を使ったパネル展示やモニター展示を通して、シドッティの足跡や生涯、歴史的背景を表現する。また、美術工芸品や歴史資料なども展示し、地域の記憶を掘り起こし、多言語で発信する。関連資料などを閲覧できるライブラリー、アーカイブを兼ねた読書コーナーも設け、ゆっくりと3世紀前にタイムトリップできる時間を提供する。


カフェ・スペース
交流拠点としての空間 <飲食提供・物販、イベント、地域体験プログラムの企画>
ローカルな素材を使ったフードとドリンクを提供する。窓に面した席からは、季節ごとに色合いを変える田園風景とその向こうに屋久島南部の美しい山々の風景が望める。地元の野菜や、アーティストの作品などを展示販売するショップも併設し、地域体験プログラムも随時、企画して「出逢い」と「対話」が生まれる交流の場になることを目指す。

付帯設備


シドッティ上陸地展望タワー
敷地の西側に一画に 2024 年に建設。シドッティ上陸地に続く海岸線の向こうに夕陽が落ちる絶景地に立つ。観光客だけでなく、地域住民の憩いの場所、子供たちの遊び場として人気のスポットとなっている。2025 年鹿児島県「かごしま景観大賞」受賞。

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シドッティひろば
記念館の前に「ひろば」では、山を眺めながらランチやドリンクを楽しめる場所にして活用する。

毎年 11 月 23 日開催の「シドッティ上陸記念祭」をはじめ、さまざまな野外イベントを開催し、地域交流・発信の柱に位置づける。

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建築仕様

エコロジカルな温かみのある素材のみを使用。地元の木材、石、土、漆喰など自然素材をメイ
ンとした木造建設とする。
建物内も家具、キャビネット類も木の素材感を生かしたデザインに仕上げる。
エネルギーはオール電化を実現し、化石燃料は使用しない。

 


デザイン・設計・施工:William Brouwer

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